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ウイスキーろまん 第2回

【『ミドルトン』に会いに】

1.計画   2.ヘリテッジセンターで


1.計画 ..........@"......@"..........@"..@"..@"..........@"
1998年の春先のこと。
すっかり空になってしまった『ミドルトン・1995年版』
をながめながら、ふと思いついた。
「どうして買いに行ってはいけないんだろう?」

たしか、大きなディスティラリーは3つと聞いたぞ、
と記憶をたよりに資料をあさり出す。
この頃になると、もはやアイルランドと名が付けば、なんでも
そろえたがる病気……。(気になる方はアイルランドほんだな参照)
雑多になっていたくらいで、たいていのことは調べられる(ような気がしてた)。
たしか政府観光庁でもらってきたパンフレットにもあった気が……。

コーク州ミドルトン。
ミドルトン旧蒸留所、ジェムソン・ヘリテッジ・センター!!

これ、これ、ここよ!!!
かつての工場跡地に、ダブリンよりも規模の大きなコースを
見学できる場所、とあるじゃないか〜♪
世界一大きなポットスティルも見られる……♪♪
    『ミドルトン』にも会える……♪♪♪

また、ちょうどこの頃、とあるタレントがイングランドとアイルランドを
回るという紀行番組を見たばかり。
とどめに出てきたのが、料理の王国バリーマルーハウス!!

 
★☆★ 余 談 ★☆★
 こういうすばらしいカントリーハウスはアイルランドのあちこちに、他にもたくさんあるらしい。
 ただ、ここが取り上げられることが多いのは、「アイルランド料理天国」の原点というか啓蒙みたいな存在のひとつだから。
 話ずれちゃうけど、実際ここのお料理見たら、かるごだけじゃなくって、だれだっておなかすくはず!! 特に気になっていたのは朝食なんだけど。
そうよ。かるごは朝ごはんが大好きなの(いずれいぶくろページで語らせてもらうだろうけど)。
  おなかがすいて目が覚める幸せ、朝ごはんを食べずに一日をはじめたりしたくない気持ち……とりわけ、イングランドやスコットランド、 アイルランドのああいうフルコース的な充実した朝ごはんは、楽しくて楽しくてたまらないです。
 ああ、考えているだけでおなかがすいてきてしまうよ……ぐうう。

と言うわけで。
ともかく、歩くいぶくろのかるご。
いぶくろとともに、心も千々に乱れて騒がしくなって、
たまらなくなってきて。
「おや? バリーマルーハウスもコークじゃなかったっけか……?」
またまたアイルランド本コレクション からあれこれ、地図もひっぱって。
お、やはり。
コークからバリーマルーハウスへの途上にミドルトンがある!
ここまで来ると、もはや
「コークが呼んでいる」

と勝手に思い込むことも
できるようになり、「ミドルトン、バリーマルーの味を求めて」旅行計画!

ウイスキーろまんまっしぐら!

「おいしい朝ごはん!」、そして「おいしいウイスキー!」、
それだけのために……!!



2.ヘリテッジセンターで ..........@"......@"..@"..........@" 思い立ってから約2ヶ月後の5月、
たしかにミドルトン旧蒸留所を目の前にしたときには、
緊張のあまりぶるぶると足が震えてしまっていた。
思い出してもおかしいけれど、なぜだか。
たぶん、ひとりで行ったということと、そのあまりに広く
すっきりとした門構えにちょっとだけおののいてしまったんだろう。
うつくしいまでに閑散としている入口前で、しばらくうろうろと
歩いたりして。

ガイド・ツアーそのものは、ビデオではじまる。
ダブリンの時とほぼ同じような流れだけど、敷地の広さを生かして
なかなかに見ごたえのあるルートだった。
ウイスキーのかおりがそこはかとなく、なんてことは
なかったけど、工場跡地らしい「におい」があって。
ここでたくさんの労働者がウイスキーに関わっていたんだなあ、
とか、自分が働くとしたらなにをさせてもらえたんだろうか、
この社宅に住んでみたいぞ、などと、どうでもいいような想像の
ふくらんでくるような。

歩いて歩いて中庭に来ると、
壁の遠く向こうに現在稼働中の新蒸留所らしき屋根。
見学できない、とわかっているとやけに秘密めいた建物に
思えてしまうのはなぜ?
あそこにウイスキーの真髄が、すべてのおいしいしずくが
眠っている、いやうごめいている、と思ってしまうから???

そのあとは世界一大きいとご自慢のポットスティルもながめ、
事務所跡では壁に貼ってある世界地図を示される。
「このように世界中に輸出されているんですよ」
誇らしげ。
そう。悲しい時代は終わったのだ。
今はこんなにも愛されている……。

そうして試飲コーナーへ……でも、気もそぞろ。
ギフトショップでは、おおいよいよと心騒がせながら、
愛すべき『ミドルトン・1997年版』を手に入れたってわけ。

ただ、ツアーのおわりのおすすめ限定品は、ジェムソンの
ディスティラリー・リザーブ。当然惹かれてしまったけども、
「やはり目的はこのかただったのだから」
と、『ミドルトン』のみに絞る。

2本とも買ってしまえば問題なかったんでしょうけど、1本ずつという
楽しみ、ありがたみを感じることにし、がまん。
が、おかげで……封を切れなかったりする。
これがストック癖の悲しいところ。

 
★☆★ 余 談 2 ★☆★
 帰り。ちょっぴりショックだった……。
 だってね、なんとダブリン空港の免税店では、ごくごくあたりまえのように『ミドルトン』が並んでいる!
 「幻なら幻らしく、ここにはいないでくれえ!」
 おおい隠してしまいたかった。
 が! が!
 その横にはまた別の木箱ウイスキーがあるぞ!
 しかも、こちらは鍵付きで、箱もやや大きめ……これはいったい?
 まじまじながめるうちに、指先から震えるような緊張。値段もさらに緊張を高めてくれて。
   149ポンド!?
 なんだこれは!? ヘリテッジ・センターでは見かけなかったが、いったいこれは?
 気になって気になって後ろ髪をひかれる思い……だが、やはりここでも、「一本一本を手に入れていく楽しみ!」 と言い聞かせ……いいえ。予算が追いつかなかったとも――(そういや、家にまで電話かけて「どうすべき?」なんて聞いてみたっけ。滑稽だけど、それくらいドキドキした)。
 結局、勢揃いの『ミドルトン』とも別れを告げ、ミニチュアボトルセットだけでがまんしたさ。


……しかしながら。
その2ヶ月後、再びアイルランドへ行くチャンスが与えられるとは! 
再びこのヘリテッジセンターを訪れることができるとは!
強いストック癖のゆえに、心ばかりか手まで震わせて、
小躍りしたかるごであった。
いつも小躍り、ウイスキーで躍れるのんきもの。

さあさあ、果たして「ミドルトン・1997年版」、ストックなるのか!?


       ……またまたつづく!!......@"


 
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