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ウイスキーろまん 第4回

【もうひとつのアイルランド】


1.ブッシュミルズ   2.ブッシュミルズ蒸留所へ


1.ブッシュミルズ(Bushmills)...@"......@"..........@"..@"..@"..........@"
と、ここまでのほとんどのアイリッシュ・ウイスキーは
「共和国もの」の話ばかりであった。
アイルランド人たちは我らはひとつ、と思っているだろうが、
政治的には分断されている――北アイルランド。
もうひとつの、アイルランドにも誇るべきウイスキー
「ブッシュミルズ・シリーズ」がある!! 忘れてるわけじゃないのだよ〜。

かるごの初ブッシュミルズは、「ブッシュミルズ1608(Bushmills 1608)」。
母が1996年のアイルランド旅行で買ってきたのを、
1997年になってようやく開封したというものであった。
なぜ、1年もほったらかしにしていたか……これはね、
哀しきストック癖のため。
つまり、もう1本同じのがないと安心して飲めないのよう……
というわけで、開けられなかったのだ。
のちに武部好伸著『ウイスキーはアイリッシュ』で、この
「ブッシュミルズ1608(Bushmills 1608)」は免税店モデルなので、
国内で探してストックしようなんてこと自体はムリ、とわかったが。

で。まだ1996年頃は他のブッシュミルズシリーズはもちろん、
アイリッシュウイスキー自体、店頭ではあまり見かけなかった。
そのため、よけいに「なかなか開封できず」であったわけ。
しかし。
「ブッシュミルズもちゃんと味わわなくては!」
(ジェムソンばかりでなく、違う味も知っておかなくては!)
ということでようやっと。

ひとまずの感想は、それまで飲み続けていた「ジェムソン(Jameson)」
よりも、かなり手応えのある味、というもの。香りはわりとマイルドだけど、
味はけっこうカタイ。
北アイルランド産、というイメージから、どっちかっていうとスコッチっぽい?
なんて感じた記憶がある……。


1998年頃になると、かなりアイリッシュウイスキーが日本国内でも
流通盛んになってきた。
かるごのいやしいストック癖も満足できる程度に、お店に並ぶように
なってきたというわけ。
いやしいついでに紹介しておくと、早くから店頭に出ていたのは
スタンダードなジェムソンのほか、「ジェムソン1780年(Jameson1780)」
「タラモア・デュー(Tullamore Dew)」「パディー(PADDY)」だった。
かるご御用達のスーパーでは、「タラモア・デュー」がお値打ちになる
ことが多く、750mlで1,490円。これはわりと甘口スイスイ、な一本なので、
まさに買いだめウイスキーになったのであった。
スタンダードな「ジェムソン」が安くて1,690円、だいたい1,890円で売られて
いたので、こちらもまたストック。「パディー」は3,400円。なかなかストック、
というわけにいかなかったが、常にある、というわけではなかったので、
見つけたら買う、というふうにしていた。麦の味わいが結構気に入ってたので。
ちなみに「ジェムソン1780」は売出し価格で2,890円。
ちゃんと紙箱に入ってるしね。ご贈答用にも見場がいい。
当時は「お値打ち価格」としてそれぞれ出ていたのだが、今はほぼ固定価格
になっているなあ。酒税法の関係もあるんだろうけどさ。


それに比べて、ブッシュミルズのほうは、1996-97年頃は店頭に並ぶことが
ほとんどなく、制覇しようにもできないような感じだった。
たまに出てくるのがブッシュミルズのホワイトラベル(ジェムソンスタンダード
みたいな位置付かな)。
ただ――これは、以前どこかで飲んだとき、ちょっと物足りなさを覚えたので、
すすんでストックしようと思えなかったのだ。同じような「軽いタイプ」で、
1,900円から2,200円くらいのお値段なら、タラモア・デューがいいや、と思い。
が、それ以外のラベル色のブッシュミルズになると、3,000円以下では買えず。
まず店頭に並んでいなかった。あっても1本しかない、というような。

なので、ブッシュミルズシリーズについては、まだまだ勉強が足りないまま、
年数を経てしまったというわけなのである。

『ミドルトン』並みのプレミアムウイスキーがあるかもしれない。
が、知らない。
決してキライなわけではない。が、飲み比べるほど多量にストックして
空けまくってみたことがない。

いかん。
いかんじゃないか。
ジェムソンやタラモア・デューを飲みながら、漠然と感じてはいた。
そう。
だって、これではアイリッシュ・ウイスキー・トレイル(Irish Whiskey Trail)、
かるごのウイスキーろまん、片手落ちではないかね???
アイリッシュウイスキーのほとんどすべての銘柄が、ミドルトンと
ブッシュミルズ、この二つの工場で生産されている――というのに、
ブッシュミルズは行ってないなんて!



2.ブッシュミルズ蒸留所(Old Bushmills Distillery)....@"..@"..@"....@"
1999年10月。
のどかな草原を抜けて、ブッシュミルズの町……というより、突然工場。
降ろされて、ちょっとポカン。
置いていかれたら困るな、というくらい「工場」の建物だけ。
オールド・ブッシュミルズ蒸留所(Old Bushmills Distillery)。
コークのヘリテッジ・センターとは趣が違うのは、稼働中の工場に足を踏み入れて
いるからだろうか。

かるごたち一行は、このとき、3ヵ所の名所をめぐるミニバス・ツアーに参加した。
この蒸留所の前にジャイアンツ・コーズウェイ(Giant's Causeway)へ行き、
蒸留所のあとにダンルース城(Dunluce Castle)をめぐるというものだったので、
時間的にはそんなにゆとりがなかった。

果たして一時間でまわれるものか?とあやぶみながらツアーポイントへ。
まあ、どっちにしたって、このツアーが終わらなければバスは出発できない、
運転手はひたすら待つだけ、なわけだけど。
で、ともあれ、ガイドツアースタート。
このツアー内容も、どうせ今までのミドルトンやなんかと同じようなもん、と
タカをくくっていたのだけど――ところが、どうしてどうして!
ビデオの内容から違っている!

ブッシュミルズのラベルには、いっつも「1608」という年号が
刻まれているんだけど、それは……。
その年に世界ではじめてライセンスを受けた蒸留所という誇りだった!
で、王様のお墨付きをいただいてから後、良質のウイスキーとして
世に知られていくけど、歴史の流れの中では、ここも例外なく密造業者との
競争に負けてしまう。他の蒸留所と同じように辛酸をなめる時代を迎えたという――。
ただ、そのときにも他の蒸留所とは少し違う道のり。
たとえば、低迷期、1960年代にIDG(Irish Distillers Group)という
蒸留所同士の協力団体みたいなものが結成されたんだけど、
当初は参加せず。1970年代になって参加したとのこと。
多少のスタンスをもって、独自の道を歩んできた時代があった、と。

そのあとは、工場内を歩いてまわる。
すっぱい発酵過程のにおいが充満した部屋では、
「これがほんとに、ウイスキーになっていくんだろうか?」
とあやしみ、ポット・スティルの並んだ部屋ではほのかなぬくもりを感じ、
中をのぞいてみたい気にもなり。
そして、だだっぴろい倉庫には、天井まで届く勢いでびっちりと
樽が寝かされている! いやあ、すごい!
この薄暗さの中に、生きているお酒の迫力というか
魅力をひしひしと感じてしまう……。

「早く飲ませてくれ、って顔しているよ」
――同行の友人に言われたけれど、そんなことなかったんだけどな。
でも、目は口ほどになんとやら?
たしかに、一樽くらいほしかったけどさ。

ただし、この工場内、現在稼動中だけあって、オープンになっている場所は
限られている。実際に働いている人を見たのは、瓶詰め・箱詰め作業の場所だけ。
どこの場所も、見学者が全員移動したら、鍵をかけるという周到さ。
後続ツアーへの配慮もあるのかもしれないけど、「機密保持」もあるんかな?


おしまいは、例によってテイスティング♪
このためもあって来るんじゃないか〜♪ ねえ???
と、ごきげんこのうえなしのかるごであった。
テイスティングの銘柄はブラックブッシュで、ストレートでいただいた。
もう最近氷や水で薄めるのがもったいなくて、アイリッシュはストレート。
くぴっとひっかけて、「うーん、芳醇」なんて、わかったようなつもり。
チョコレートが恋しくなるような、豊かな苦み……。ほんと、きもちいい。

しかし、余韻にひたりつつゆったりと過ごす……ことのできないのが、
バス・ツアーの哀しいところ。
集合時間もあったので、ショップのほうへ急いでみる。
『ミドルトン』ほどの執着とこだわりはなかったものの、なにか一本、
ここならではのものを物色しておかなくては気がすまない!

そしたら。
案の定、というか……なんと厄介な。
見たことのないデザインのものが二本あるじゃないか!
……ほら、限定ものには弱いから。

結局、『ディスティラリー・リザーブ12年』
(Bushmills Distillery Reserve-aged 12 years-)
に決めた。ガイドツアーのおすすめの1本だったから。
そもそも『ミドルトン』と出会ったのは、同じくオススメだったから、だし。

余談だけど、これ、正月、かるごのごきげんのよいときに家族にふるまう、
つもりだった。けれども、空けなかった、おっと「開け」なかった。
2000年5月20日現在でもまだ開けていないので、味はわからず。
いったいいつ開けられるんだろう……基本的にもう1本ないと、やはり不安だ。
このストック癖はほんとうに病気だ、悪癖だなあ……。

開けたら最後、今度はあらたにブッシュミルズ中毒になったりして。
安心のストックのために買いに出かけるか、味わっちゃってから
また行く口実にするか……どっちになるかなあ?(どっちでも同じだな)
実は。
ベルファストの街中のPR看板でもしょっちゅう見かけた
『ブッシュミルズ・ミレニアム(Bushmills Milennium)』も気になっている――
もちろん1999年版『ミドルトン』も手に入れたい……。
どこまでもいやしいかるごである。なんて欲ばり!

けど、川島なお美の体の血がワインならば、
かるごの血はウイスキーである可能性もある。。。
今年も必ず、輸血が必要だ。

       ……たぶん、つづいてしまう!!......@"

 


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