KARUGO WORLD-MEMORIES3
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「銀行でおばちゃんと」を読む?

「1994年のギリシャ人」を読む?

「いつだったかのインド人」を読む?



2000年6月12日(月)のおばちゃん

この日の朝、開店めざして近所の銀行へ出かけたかるごである。
ここはあさひ銀行祖師谷支店狛江出張所。
かつては窓口もあった、かるごのメインバンクだった「狛江支店」――。
これが支店統廃合ってことで、隣の駅にある祖師谷支店の出張所扱いになり、
今ではもはやATMのみ(しかも現金振込・硬貨不可)の店舗になっている。
ちょっと不便。

で、ここには全部でATMが三機あり、このときかるごのほかにはもう
ひとりだけ。別にどうってことない。で、のんびりと入金・振込みなど
用事を済ませていると、ひとりのおばちゃんが入ってきた。
でも、これだってどうってことのない、あたりまえの風景。
が。

「ちょっと、お姉さん」
(どうやらわたし?と図々しく振り返ると)おばちゃんがじっとわたしを
見ている。 「おねえさん、ここ窓口ないの?」
「あ、そうなんです。ここは機械だけなんですよ」
「あ。そう……振込はできる?」
「あ・ええ。機械でできますよ」
荷物の口を開けて考え込んだものの、通帳らしきものを取り出して機械の前に。
「機械振込みができる」とわかったのだな、とかるごは安心。
かるごはかるごで、次の振込作業へかかろうとした。
が。

「あら、ねえねえ、お姉さん。これじゃあ、だめなの?」
なんだかすっかりアテにされてしまっているけど、おせっかいなかるごは別に
気にしない。これくらいのことアテにされたってかまわないや、と近くへ行く。
「わたし、振込通帳はもってんだけど、この画面、どういうこと?」
――ここのATMは、振込通帳が使えないのかも。いや、現金振込がだめなのかも。
かるごのあやしい記憶――画面を見るとそんな感じだし。
「えーと。現金と振込通帳、だめってなってるみたいですね。
ここの銀行口座、おもちじゃないんですか? キャッシュカードとか」
「もってないわ。この振込通帳しか持ってきてないの。現金とこれだけ」
「そうですか……だめってことですね、これは」
画面を見ながら、考え込む。

「あら、お姉さん、あなたのほう、だいじょうぶ?」
おばちゃんに言われて、あわてて自分がいた機械のほうへ戻ると、
「はじめからやり直してください」とカードが戻っていた。危ない危ない。
もうほかにだれもいなかったから、よかったけれども。
「わたし、聞いてみっから。自分の用事すませちゃって。ありがとうね、お姉さん」
おばちゃんはインターフォンを取り、相手が出るのを待つ。
で、お言葉通りかるごはこの隙にさっさかと振込をすませる。
で、終わっておばちゃんのほうをうかがうと――ここのATMでは現金振込が
できないということと、窓口のある支店まで行けということを言われたらしい。
「だめなんだってさ。祖師谷までいかなくちゃならないって」
気落ちしたような、疲れたような。
「ああ、不便ですよね。電車でしか行けないっていうのが――」
しかも、今いるところから一度バスで最寄りの鉄道駅まで出なくてはいけない。
「お姉さんはこのへんのひとなの?」
「ええ。歩いてちょっと先で。ここ、昔窓口があったときは便利だったんですけどねえ」
「ああ、そうなの! 窓口あったの! ああ、結局儲からなくなったのねえ。
はっきし言って、そういうことだよね」
「はあ、まあ、そうですねえ」
「はあ――そうだったの。じゃ行くしかないから、行くか。お姉さん、どうもありがとね。
おばちゃんのは仕方ないね。ここじゃできないからね」
荷物をまとめる姿を見て、なんだかやっぱりおせっかいかるご、黙ってられなくなる。
ずっとうずうずしていたのだけど、お金のことだし、とためらっていた。でも!!

「あの、もしよろしければ、わたしの口座から振込んで差し上げますけれど……」
「え!?」
ほんとにほんとは、お金のからむことだから、簡単に口にしてはいけないこと。
けれども、どうしても言わずにはいられなくなってしまったから。
おばちゃんが気の毒、というか――祖師谷までまたさらにお金かけて振込に出る、なんて。
自分だったら、いやだもの。

もちろん――赤の他人に、そんなこと言われて、「よろしく」なんて頼むつもりに
なるかどうかは、わからない。冗談じゃない、って断られるかもしれないし、それなら
それでスッキリ。性分として黙ってられなかっただけだから。

でも、おばちゃんは「え!?」ともう一度びっくりしたあと、
「ほんと?やってくれるの?」と聞いてきた。
「ええ。でも、その代わり、振込人がわたしの名前になってしまうので、振込先の相手の
方にはそのようにご連絡いただかないと、ですけど」
「ほんと? 助かるわ。うれしいわ。お願いしてもいいの?」
「いいですよ。お金をいったんわたしの口座に入れて、そこから振込みましょう。
そしたら、今ここでできますから」

おばちゃんが大喜びで、お金を取り出す。
「この額をお振り込み、でいいですよね?」
とりあえず、振込む額分のお札をもらう。硬貨を使うような端数はないのでよかった。
手数料は一時わたしの口座残高から立て替えればいいし(それくらいはある!)――
と入金。ひとつひとつ、隣におばちゃんに立ってもらったまま、画面の説明をしながら
操作し、確認してもらう。(いつからロビーレディになったんだというくらい、
いつになく丁寧なかるごだった)
やってる間中、「若いひとの知恵ねえ、親切ねえ、ありがたいわ」とおばちゃん。
しつこいとか、いやな感じとか全然ない、明るいおばちゃん、そして妙に感動深い。
ともあれ、無事送金終了。

明細控を渡す。
「ここにわたしの名前が出てますから、この名前で送ったと伝えてくださいね」
そのほかに、自分の名前と住所・電話番号を持っていた封筒にメモして渡す。
「なにかあったら(大丈夫と思うけど)、わたしの連絡先ですから」
「あーありがとう。奥さん、ありがとう。ほんとに助かりました」
いきなり”お姉さん”から”奥さん”になってしまった……。
「あ・いえいえ。わたくし、奥さんじゃないんですけどね……」
「あら。なんで?」
「なんで????いや、あの、結婚していないので」
「あらーーーそう? 不思議ねえ。どうして? どうしてっていうのも変だけど」
「いや、単に相手もいないというか」
「まー、もったいないねえ」
「は・はあ……ありがとうございます……」
「そうなの??? ちなみにおいくつ?」
だんだん雲行きが……。
「さ、31になりました」
「そお。おばちゃん世話好きだからさ。川崎のほうに、
知ってる人の息子さんがいてね、いいかたを探してるのよ。
いいかたなのよ。課長さんやっててねえ。42なんだけど、42じゃ、
ちょっと上か。だめ?」
ああ、いきなり見合いの世話????
「はあ……ちょっと上ですねえ」
「ごめんねえ。おばちゃん世話好きだからさ。でもね、うちの娘達、
10歳違う相手と結婚したけど幸せにやってるよ。いいよ、十くらい違うの」
などなど――実例付でもあった……。

で、ひとしきり、おしゃべり。またもおばちゃんには気に入られやすいかるご。
9時前に銀行入って、出たのは9時20分過ぎ。なにしてんだろう?
その後、かるごもおばちゃんの名前・住所をいただき、振込手数料420円をもらう――
といっても、「お釣はいいからいいから。うれしかったから」と500円玉をくれた。
80円儲けてしまった……。

「でも、おばちゃん、一生忘れないよ。ありがとうね。お姉さん」
なんにせよ、どんなときでも「ありがとう」と言われるのはうれしいものだ。
「いいえ、こちらこそお役に立ててうれしかったです。よかったです」
そして、おばちゃんの去り際のせりふがよかった――。
「35、6でね、探しておくからね」
……――ねえ? どうなると思う??? ドキドキ。


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1994年5月3日(月)のギリシャ人


1994年のゴールデンウィーク、この時期最も安い航空券を求めた結果、
南回りマレーシア航空利用(サービスはよかった! 友人Yとふたり
カクテル作らせまくって飲みまくってた!)でロンドンへ行った。
トランジットのひまな時間を含む30時間フライト。
なかなか希有な体験であった。同行のもうひとりの友人Mはゲンナリしていたが、
ほとんど寝ていたからフライト時間はあまり関係なさそうに思えたのだが。
友人Yがパスポートを盗まれたというアクシデントもあったが、それはまた別の話……。

さてさて。この期間中、我々はウィンザー城、オックスフォードをまわるDAY TOUR
(GUIDE FRIDAY)に参加した。
他に日本人らしき女性がひとり、あとはみんなヨーロッパ諸国の人々。
イタリア、ポーランドやスペイン……。
そして、ギリシャ人一家。このときはまだ、別にどうってことなかったさ。

これはバスの運転手が目的地へ連れていき、自由行動させ集合させてまた次へ案内、
というシステムで。でもって、パブランチ付き。

 ちなみに、このときの運転手について。
 友人Yは「カッコイイおじちゃん」とかなり気に入ってた。
 その意見にはだいたいにおいて賛成だったけど、彼を見るとなぜだか
 かるごの頭には「マッカーサー」「陸軍大尉」「スイスアーミー」
 「ミグ」「ジェームズ・ボンド」……などといった単語ばかりが
 浮かんでくるのだった。なんでだろ。

バスの中でランチ・オーダーシートが配られた。
おお、時間節約なのね、と思ったが……この直後から、こんな節約も意味のない
展開へと転がり落ちていくとは、だれも考えてなかったのだねえ。

まず。オックスフォードまではよかったよ。うん。ちゃんと着いたし、
かるごたちはオープントップのバスに乗って、とりあえず町の様子をながめ
「とっても観光客」して楽しんだし。で、バスも時間通り出発したし。

でも。ランチ。そのランチ!
なんと、運転手、パブへの道がわからないのだ。迷ってしまったのだ。
「ここ、どこだろう」
いったんハイウェイを降りてバスを停め、地図を広げる。
微笑ましいざわめきが流れ、行く末を見守るわたしたち――のはずだった。
すると!
ギリシャ人のパパ、「どれ、見せてごらん。わたしが見よう」と立ち上がる。
そう、ちょっと足の悪いおばあちゃんのために、最前列を占めていた一家であったので、
運転席には近いのだ。お手伝いしよう、の精神、気持ちはわかる。わかるが……
異国人で役に立つだろうか? ほんとうに?

――もちろん、立たなかった。
でも、なんだかおかしいのだ。彼の家族までが「自分も手伝う」といわんばかりに、
"ギリシャ語で" 騒ぎ出したのである。地図をのぞきこむ一家。
そのパパしか英語は話せない。でも、状況を知りたがる家族に通訳してやるパパ。
ぎゃあぎゃあ、という表現がぴったりのにぎやかさ。
我々他の一般客は、黙ってなりゆきを見守るだけだった。
そう、そして結局は運転手が無線連絡をとりつつ、目的のパブ へたどり着いたのだった。
しかしながら、ここですでに30分以上の遅れ。

でも、運転手はわりかし冷静。
「あとすっ飛ばせば大丈夫さ。ランチはごゆっくり」みたいなことまで言う。
まあ、道に迷った30分程度の時間というのは、取り返せる「誤差」なんだろう。
――が、「ごゆっくり」は言い過ぎだろう!
そんなことばをそのとおりに受け取るのが、ギリシャ人じゃなかったっけかな???
彼らのランチはほんとに、ごゆっくりだった。追加オーダーも好きなだけ。
まったくあのオーダーシートは役に立っていなかったよう……。

その後、最終目的地ウィンザー城。
くるりとひとまわり、のんびり歩いて、けっこうすぐに集合時間が迫っている。
こういうの、きちんと守らなくちゃね。なんて思って、我々はバスに戻った。
他のスペイン人やポーランド人も戻ってきた。イタリア人も、日本人もいた。
が、ギリシャ人一家は……いない!
もちろん、階段の上り下りのできないグランドマザーは残っていたが……。

"パパ・ギリシャ"率いるファミリーは約束の時間を5分過ぎても戻ってこない。
まあ、5分は誤差のうち、とガマンできよう。しかし、10分過ぎても20分過ぎても――
現れない。
"グランマ・ギリシャ"も不安。
「見捨てないでね、彼らはどうしたのかしら。待っててくれるわよね?」
たぶん、そんな意味のことを言っていたのだろう、ギリシャ語で運転手に訴えていた。
はじめはなだめていた運転手も、そのうち時計を見ながら、外で待って
必ず出てくるはずの階段に目をやっている。

他の乗客も、いったい彼らはどこへ消えてしまったのか、と不安になりつつあった。
果たしてわたしたちは、ロンドンへ帰れるのだろうか。否。あのギリシャ人と一緒に
ロンドンへ帰れるのだろうか。
と――そのとき!

右手を高く振り上げてタラップを降りてくる大統領かなにかのように、"パパ・ギリシャ"が
階段を降りてくる姿が見えた。
運転手も目ざとく見つけて、急げ急げと手を振って合図する。
が、"パパ・ギリシャ"、ゆうゆうと「歓迎ありがとう」といったふうに手を降り続けて降りてくる。
ちがう……運転手はHurry upと言っているのに……。
バスの中は、なんとも言えない苦笑に満ちてしまった。

やはり余裕しゃくしゃくでバスに乗り込んできたところで、点呼完了!
"パパ・ギリシャ"はやはり、手を振って、皆に挨拶した。
これが「遅れてスマン」の意味か、「待っててくれてご苦労」だったか、
そりゃわからないが――でも。
他のみんなが彼の挨拶に答えて、パラパラと拍手をしてしまったのは、
いったいどうしてだったんだろう?

その後、"ギリシャ"と聞くたびにこのことを思い出すかるごであった。

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数年前に出会ったインド人


いつだったか忘れてしまったが、数年前。
まきちゃんと江ノ島へ、みなぞうくん(ミナミゾウアザラシ)を見に
出かけたときのこと。待ち合わせは藤沢駅だった。

というわけで、かるごが藤沢へ向かう小田急江ノ島線の車内――。
途中から座れたのだけれど、右隣に色の黒い男性、異国人がいた。
この時点でかるごは勝手にインド人と決めていた。
紺色のスーツなぞ着ているので、こちらでなにか仕事をしてる人なんだろう。
でもって、彼は自分の右隣の女性と親しく談笑している。
それでも二人の声はあんまり聞こえなかったので、
想像力豊かなかるごにしては珍しく、
「彼女かしらあ、最近国際カップル多いしねえ」
なんて程度でおしまいだった。必要以上にベタベタしないのは、感心感心、
なんてわけのわからないことだけ思いながら。

でも、ベタベタしようがないのだった。二人は初対面だったのだから。
というのは、彼女のほうだけそのあと降りてしまったから。
よそよそしく「お気をつけて、さようなら」とおじきをしながら、
彼の方は「GOOD LUCK」なんて。
ありゃ。
じゃあ、乗り換えのことでも聞いていたのかな。
それにしては、"談笑"ぽかったが。

ふと「スミマセン」と、彼が声をかけてきた。
ああ、かるごも乗り換えについてたずねられるのかも、と顔を上げた。
「ちょっといいですか? どこまで行く?」
「この電車は、江ノ島行きですよ」
「ちがうちがう、あなた。あなたどこまで行く?」
「わたしですか? わたしは藤沢です」
「藤沢。なにしに行く?」
このへんから、なんだろうなあと思いながら、受け答えをする。
「友達に会いに」
「友達、男か、女か」
「……女ですけど」
「わたし日本に半年前に来たばかりです」
なんだか脈絡がないなあ。そう思いながら、一応会話を続けてみる。
「はあ。日本語勉強してから、来たんですか」
「違う。こっち来てから」
「へええ――じゃあ、習ってるんですか」
「なに?」
習う、という単語がわからないのだな、と判断する。
「ええ、と。今、学校で勉強しているんですか?」
「学校、行ってないよ。仕事で使う。だから」
「ああ、そうなんですか(意味よくわからないけど、独学したってことかな)」
「で、あなた、今男いますか?」
「は?」
「ボーイフレンド」
「ああ……お友達ね。いますよ」
「違う、お友達じゃない。ステディね」
「は?」
……なんか雲行きがあやしくなってきたなあ、と警戒。
「わたしね、イングランドから来ました。イングランド、知ってる?」
「知っています」
「来たこと、ある?」
「はあ、あります」
「わたし、イングランド系インド人ね。○○(聞き取れなかった)に、
家あります。そこに、両親と祖母と暮らしてます」
「そうですか。イギリスですか……」
「あなた、わたしどうですか?」
「どうって……なにがです」
「あなたとわたし、付き合う。わたし幸せなる、あなた幸せなる、どう?」
……すごいダイレクトだな。しかし。
「いや、それは……」
「なぜ。なぜ迷う? わたしイングランドに家ある。仕事、日本でしてる。
あなたとわたし付き合う、これ幸せなこと」
……だから、その論理がわからないんだって。

さっきの女の子も、こんなこと言われてたのかな。あ・だから降りたとか?
そうかも。たとえ降りるべき駅でなくても降りたくなっちゃうよなあ……
そうしよっかなあ……あ・でも、さっき「藤沢行く」って
言ってしまったんだ――ううう。降りられない……。
「あなたステディいない。(と勝手に判断したらしい)なら迷わない。
わたしとあなた結婚する」
なんなんだ、このインド人は!
しかし困ったぞ――って、「彼はいる」って嘘ついてしまえばそれですんだこと
だったんだろうけども、小心者なせいか、こういう肝心なときに大嘘がつけない!
ああ、せめて「片思い」でもしていればよかったのだが……。
が、執拗なので、やっぱりこの嘘をつくことにした。

「いえね。好きな人はいるんですよ」
ところが!
「好き? どういう好き?」
「どういう好き?」
恋愛哲学に発展する前に、早く藤沢へついてくれ!と叫びたい気持ちだった。
もうちょっと、もうちょっとでホームに入るぞ……。
「いや。だから好きな人はいるから……ごめんなさいね」
もう支離滅裂。
「ほんと?」
くううう、嘘だけど、アンタと結婚はしないぞお。
「藤沢、着いたんで。行かないといけないので」
席を立っても、彼はせつなくかるごを見上げる。
触れてこないだけの節度はあるのだね。ほ。
「ほんとに? ほんとにダメ? わたし、いいひとよ?」
……いい人? そうかもしれないけど。
「ごめんなさい。じゃあ」
「残念。ほんとにダメ?」
「ダメです」
「ほんとに残念」
握手を求められたので、ちょっとためらってしまったが、ま・何をするでも
なかろうと手を差し出した。
Shake Hand――これで一応は友好的にさようなら、という感じだね。
「GOOD LUCK」
なるほど。さっきのGOOD LUCKもこれだったのか。
しかし――なおイカンぞ、手当たり次第というのは。ねえ? 

そういうことがあったけど――これ、正確な日付、忘れちゃったのよ。


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