
My friends(family?) in Ireland...
6月4日火曜日は、かるごと妹が一日ミック&イヴォンヌさんとごいっしょする約束の日。そしたらなんと、こちらのほうが今さらながらにDiscover Japan――。
Discover Japan
この日は妹とふたりで奥多摩へご案内。
週末に弟part1夫婦と京都へ行って、ずいぶん楽しみ、そしてだいぶ買い込み、
もうショッピングはしない、ということだったので――渋すぎる選択かしら
と思いつつ、そちらへ。
9時に新宿のマンションの部屋へお迎えに行き出発。
ほほ笑ましかったのは、ベッドの上にすでにアイリッシュチームのシャツが
きれいに広げておいてあったこと!試合は明日(5日)なのに。
はりきってんなぁ。うふふふふ。妙にかわいらしくて、一人ほくそえむかるご。
さて、マンションを出て、甲州街道を駅のほうへ向かって歩く。
新宿駅から流れてくる人波に逆行(like a salmon)するわけだが、これまた
おもしろかったようだ。
たしかに、彼らにとってみれば、ラッシュアワーからして「Amazing!」。
新宿駅のラッシュに目をみはって、まず一枚パチリ。
中央線上り電車のラッシュを反対側のホームから撮っていた。
階段でたまっている人々をじっと見つめながら、一日中人がいるよね、とも
言っていた。
そうだなあ。これがあたりまえだけれども、アイルランドではひっきりなしに
走る路線というものがないから。
一日中駅にだれかいる――それもたくさんの人たち、というのは面白いの
だろう。
それにしても、ミックさんなんて、仕事でニューヨークへも行ってらっしゃる
わけだし、東京がとりわけてとは感じないのでは、と思っていたのだけれど。
さて、我々は下り電車でひたすら乗っていくわけです。
たしかに座れたけれど、彼らには多少窮屈だったよう。
あの横並び7人掛けも慣れないせいか。たしかに、ヨーロッパはだいたいボックスシートだ。
さらに、そこかしこで眠りこけている乗客を、不思議そうにながめている。
だれかひとりが眠ると、だれかに寄りかかったり、呆けて半開きの口を上に向けていたり……そんな光景は、我々は見慣れているといってもいい。
自分自身だって、そんな姿になっていることだってある。
それに――。
「このひとたちはどこへ行くのだろう」
2時間くらい電車に乗って、仕事に毎日出かけることに、驚いてもいるようだった。
自分たちは車で2時間の距離をぶっ飛ばして仕事に行っているのでは?
と思ったところで、気づいた。
アイルランドにおける列車は「確実で早い」乗り物ではないのだ。
「確実かもしれないが、早くはない」乗り物だから――その尺度で考えると、
日本の電車通勤は不思議だろう。
だいたい、アイルランド人やスコットランド人が教えてくれるfew minutesが、ほんとの意味で“ほんの数分”であったためしは、ほとんどない。
そのくせ、こちらがten minutes というと、5、6分過ぎたところで「おかしい」となる――時間の感じ方が違うのか、実際持っている時計の動きが違うかのどちらかであろうと思う。
そういえば、日本は「Nice Warm」なのだそうだ。5月下旬のスライゴーはほとんど毎日雨、曇、どんよりとした空模様で陰鬱で、寒い――と。
半袖1枚で歩けるのがとってもうれしいのだそうで、ウキウキとサンダルで歩くふたり。しょっちゅうお水を飲んでいたところを見ると、アイルランドよりも乾燥しているということなのか――単に東京は暑いということなのか。
ともかく、雨さえ降っていなければ「Lovely」と評される日本の天気だった。
あっちでも半袖は着ているのだろうけど、はおるもの一枚、一応は必要なときが多いんだろう。朝晩は冷え込むし(そのかわり、秋冬でもたいして着込まなかったりするんだろう)。
さて、列車が立川あたりを過ぎると、さすがに沿線はマンションが多く見えてくる。このあたりでのイヴォンヌさんの驚きは、洗濯物が常に外で(マンションの
ベランダに、布団まで!)干されている、ということであった。
「みんな干している!」
なるほど。
たいていは雨が降ることが多いので乾燥機が必要になる、と。バックヤードに干したりするんだけど、見えるところにではないね、たしかに。
また、ミックさんの驚きは、東京から1、2時間乗っているのに、まだ駅前に建物がある!ということ。
2時間くらい旅をしないと、奥多摩みたいな風景の町にたどり着かないことに驚いている。たしかに、アイルランドは電車に30分も乗ってりゃ、立派に緑の真ん中だから――わたしたちにしてみれば、さすが郊外に出てくると、殺風景になってくるよなーという感覚だったのに、違うのだった。
なるほど、「まだ建物がある……」。
奥多摩へ着いたときも、
「ここの家は東京のひとたちのサマーハウスじゃないのか?」
と聞くくらい。
「違う。このあたりから都心へ働きに出る人もいるんだよ」
「電車で2時間?毎日?」
信じられない顔をしていた。
そうだね、たしかに大変なことだけど、電車が時間どおりに走って、それなりの速さで走ってくれるから、できることでもあるのだろう。
もっとも、「勤め先へ車ですっ飛ばして1時間」というアイルランドでの距離と、「都心へ電車で2時間」という距離はたいして変わらない気がするけどね。
どうなんだろう。
4人でまわったのは、櫛かんざし美術館と玉堂美術館、それから川沿いの散歩。
あくまで渋い一日。
そういえば、地蔵を見て「これなに?」と聞かれ、「まぁ、神様の一種だな」と答えたら――イヴォンヌさんがやおら十字を切りはじめたのには、驚いた。
「神(God)」と名の付くものにはなんでも、そうなるのだな。
わたしもクリスチャンではあるが、いかんせんクリスチャン人口総人口の1パーセント未満の国。八百万信仰も知っているので、そういう反応はしないし――むしろ「異教」と思ってしまう。
なるほど、一神教(一応はそう言ってよいと思う)の国のひとだなぁ、と感心。
多摩川沿いの遊歩道を、隣の駅まですすんでいった。庭の花や無人の野菜売店なんかに立ち止まったり。
川岸までおりたり。
多摩川でもわりと上流のほうなので、ごろごろと大岩が見える。カナダのなんとかいうところを思い出すといって、大きな岩や川、アクティビティのことなんかを話してくれた。
この日は水もきれいだったし、気持ちよかった――けど、歩かせすぎたかな???
さて、奥多摩から帰るとき、駅前で帰宅途中の小学生を見かけた。
こどもふたり。
どうやら定期券をもって毎日電車通学をしているよう。
あのへんは徒歩15分圏内に小学校ひとつ、なんてことがないんだろう。ふたりの横には、日傘をさしたおばさんがひとり。
「お母さんかしら?」とイヴォンヌさんがつぶやく。
「さあ、違うのでは」と妹とかるごはあやしんだ。でも確信はもてない。
結局、横断歩道をわたったところで、まったく知らん顔で先を行ったので、他人だったことがわかったのだが――イヴォンヌさんはちょっとびっくりしていた。
「子どもたちだけで学校へ行くの?」と。
そういえば、と「日本に着いた日、人ごみの中で、7歳くらいの制服を来た男の子がひとりいたの。学校へ通っていくのかと驚いた」と思い出していた。
「ひとりで通うなんて、信じられない」
言われて、わたしたちにはそれがあたりまえになっていることに気づかされた。
たしかにむかしは、いくらかの"特別"を感じていたとは思う。けど、今ではすっかり不自然と思わなくなっている――。
そんなことないだろうか?
スクールバスも、幼稚園にはあっても小中学校ではほとんどない。車での送迎なんて、特別な子かよっぽど“そういうお子様”でなければない、と思う。
小学生のときは徒歩圏内に学校があって、隣近所の子たちと「通学路」を通って通っていたわけだから。
そんな話をしながら、「学校に送り出す」形の違いにあらためて気づいた。
いや、もちろん、それだからどうってことはない。どちらがいいとか悪いとかいう話ではない。それぞれの地域と学校のあり方――社会の違いからくる、いわば「習慣」だろうから。
なるほどね、と思う。
帰りの電車の中で、さすがに疲れてしまったミックさんは「日本人なみに」居眠りをし、かるごたちも疲れたので居眠りをしたのだが、なんと、イヴォンヌさんは寝なかった!!! ずっときょろきょろしていたのだ。
かるごが目覚めたときに「寝なかったの?」ときいたら、「乗り降りするひとたちを見ていたら楽しくて」と答えが返ってきた。そういえば、高校生の下校時間で、朝ほどではないにしろ、学生たちのラッシュ。
しかし、彼らの目にうつった日本の高校生は、息子たちの未来と重ねることは、とてもできなかったのでは?
しょっちゅう携帯をいじくりまわして、化粧を直したり、ぺったり座り込んではおしゃべりしたり――これが日本のティーンの姿だった、とエイリアンさながらに報告するのではなかろうか?
そういえば、京都では緑のシャツを着ていたら、修学旅行生に取り囲まれたりしたのだそうだ。アイリッシュサポーターだとか、選手だとか思われたらしい――「英語で子どもたちが一生懸命話しかけてきたのよ。キャーキャーたかられた」イヴォンヌさんは非常に楽しかったと話していたっけ。
そういう中高生もいれば、電車であったような高校生もいるから、マンウォッチングが楽しくて仕方なかったのだろう。
わたしたちがあたりまえに感じているものはなにか、を知らされる。
アイルランドと日本は、同じ島国で、折に触れなにか通じるものがあると感じてきたけれども、やはり違う国なのだ。
自分が異国にいると、またそこでも気づかされることがいろいろあるけれど、逆に異国からのお客様をお迎えしても気づかされることがある。
どれも取るに足らないちいさなことであったりするけれども、そういう発見もまた、ありがたい。
どうもありがとう!!
そして、「日本にいても、アイルランド人はやはりアイルランド人である」という漠然とした事実も明るみに――(おおげさ)。
Discover Irishness
さて――翌5日と6日は日本滞在最後の1泊2日。
試合観戦と成田空港に便利なほうがいいかな、と思い、選手たちの宿泊している幕張のホテルをとっておいてみた。たとえ競技場にいけなくても、ここなら必ずアイリッシュビレッジで大スクリーンでの観戦もできるし。
というわけで、新宿はこれで最後。かるごたちとも今日でお別れなので、夕食をごいっしょにとお誘いしてみた。とくに決めていなければ、と。
こころよくOKをいただいたのだけど、ずいぶん歩かせて疲れさせてしまったので、2時間くらいマンションで休んでもらうことにする。かるごたちは新宿で時間をつぶす。
ワールドカップの日本初戦日のせいか、人通りがだんだんと少なくなっている。
人ごみの苦手なかるごたちには、幸いか。
で――店は近場にしておこう、ってことで、タカシマヤにある「つばめグリル」。
「家でハンバーグ作る?」なんて話から、お弁当の話をしたり――夏の我々のアイルランド“帰還”について話したりして過ごす。
ベジタリアンではないけれど、生野菜も温野菜も大好き、というイヴォンヌさんは、ハンバーグセット。かるごと妹もそうで、ミックさんだけがグリルチキンだった。
で、ちょこっと笑ってしまったこと。
ウェイトレスにこう確かめたのだ。
「フライドポテトはついているか」
彼女がキッチンで確認してくると言って、戻ってくると
「お好みでしたら、つけることができる」
と言いにきてくれた。
そしたら――――「じゃあ、ぜひつけてくれ」。
うーん。
やっぱ、イモなのね。
でも、実際に運ばれてきたフライドポテトは、もちろんアイルランドのそれとは量が違う。6本くらいのフライが芸術的に積まれているだけ。
それを見た瞬間のミックさんのさびしそうな顔が、忘れられない。くしゅん、と沈みがちな目の色。
もちろん、イヴォンヌさんはそれを見逃してはいなかった。
「ミック、半分あげるわよ」
ハンバーグセットには、必ずジャックポテトのようなまるごとポテトがついているのだ。
「いや、いいんだ」
押しとどめながら、おそらく想像以下の量であったそのフライを、大事に大事に食べていた。
アイルランド人にとっての“ソウルフード”なんだろうな、やはり。
それでも、日本のビールはエビスをはじめ、けっこう気に入ったようだった。
この日も生ビールを頼んでいたくらい。
さて。
そのあと帰り、ちょこっとぶらぶら。
甲州街道から東口に抜けるネオンや喧騒を写真に撮っていた。とにかくヒトゴミが新鮮なのだろうな。どうやら新宿の夜では毎晩見ていただろうとも思うのだが――この夜、イヴォンヌさんは南口から東口へ抜ける通りの真ん中に立ち、
「早く!ミック撮って!」
とせがむ。喧騒の中の自分が、また帰ってからのネタになるんだろう。
たしかに夜9時過ぎ、スライゴーの街中にはああいう喧騒はないもの。
レストランやパブ以外の店は閉まっているし、パブが開いているといって、町全体がにぎわうような晧晧とした様子はない。
スライゴーが地方都市であるからかもしれないけれども、たとえばダブリンでも、人がその間をぬうようにうごめくビル群はないし、人々という人々が飲み込まれては吐き出されるような雰囲気はない。
「夜に女の人がひとりで歩ける安全な町だ」
イヴォンヌさんは考え深げだった。
それはおそらくそうなのだろうと思う。
単に自分が住んでいる場所だから、というだけでなく、他の大都市に比べてもおそらく――。
人は多いが、この国は決して“人種の坩堝”を持っていない、だから――ではなかろうか。
また話は違うが、食事時にそういえば、「日本人はどこでもとても丁寧で、親切な応対をしてくれた」と感想を述べてくれた。
「人の話をよく聞く人々。きちんと耳を傾ける、そして、丁寧に答えてくれる。親切だよ」
そうか??
そんなことあるかな?
このことをある友人に話したら、「日本人も英語ペラペラなら、話を聞かないかな」と言っていたが(自分のことかもしれない)――つまり、英語がおぼつかないから、よくよく話を聞くのでは、ということか。
たしかにそれもひとつ真実ではある。少なくとも、かるごはそうだろうな。
ミックさんは、日本のあたたかい人柄、国民性をしきりにほめてくれたけれど(カメルーンチームに対する中津江村の例をも知っていたのかもしれないし)、かるごにしてみれば、アイルランドだってそうじゃないか、と思い、
「アイルランドの人々こそ」
と言った(つもり)ところ、ミックさんは「No」と首をふる。
「アイルランドの人々は話を聞かない。話すだけ。」
「えー?そうかなあ?」
首を傾げたら、まじめに“We don't listen”と続いた。
このWeはもちろん、一般的に我々アイルランド人は、という言い方だけども……いやはや、これ、悪いんだけど、ちょっと笑ってしまった。
だって、深刻な国際問題のようなまじめ顔で、“We don't listen”だから。
しかも、「そうだよな? 俺たち聞かないよな」とイヴォンヌさんに相槌を求めたりしていた。
これもおかしかった。
あははははは。
ま・たしかに――みんながみんなではないだろうけど、たしかに、アイルランド人はよくしゃべる国民性ではある!!
そんなことをも感じた一日だった。
――というわけで。
そんなこんなことがありながら、わたしたちはおそらく「友情」を深め(彼らのこちらに対する寛容であたたかい善意は、理解を超えてありがたいが)、8月までまたしばらく、とお別れを申し上げた次第。
日本人である自分を意識するチャンスにもなり、自分があたりまえと思って見ているものどもを新鮮に「知る」ことができ、うれしかった。
とてもおもしろい一日になったのだ。
彼らにとっても、と思いたいところである。
澤乃井の酒造見学をしたのだが、左に見える樽三つ――イヴォンヌさんは気に入ってしまって、「ぜひStrand Bar(彼女のおじさんのパブ)に飾りたい」とポコポコ叩いていた。
ぜひ飾ってほしいものだが。。。
そういえば――ちょっと余談。
英文の新宿付近パンフをあげたんだけど、それで見たのか、ぶらぶら歩いて見つけたのか、あるいはガイドブックのLonely Planetに載っていたのか、かるごたちが教える前に、新宿のシャムロックとダブリナーズ、両アイリッシュパブはちゃんと試していたおふたりだった。
ははは。
歌舞伎町のエンジェルは行かなかったらしいが――シャムロックではイングランド戦を観戦したんだとか。楽しかったようだ。ヨカッタヨカッタ。
それから、この日の夕食、勝手に時間を決めてしまったのだけど、日本戦の最中だった。かるごは興味がなかったのでそういう設定にしてしまったのだが、申し出てからあわてて、「日本戦も見たい?見たいなら夕食の時間をずらすけど」と聞いたらば、
「我々にとって一番大事なのは、アイルランド戦だから。見なくて平気」
力強く言われてしまった。
が、マンションに迎えにいったら、やっぱり日本戦も見ていた。
そりゃま、言葉がわかんなくてもわかる番組だし、なにより、ミックさんはスポーツが大好きだから。
そうそう、アイリッシュチームのユニフォームは変わらずベッドに広げられていた。
ほんとにほんと、楽しみなんだってことが伝わる。
ほほえましく、たくましいふたりである。
さらに――まるで、「遠足は家に帰るまで遠足です」ということばを連想させるような後日談までがあった。
そう、「ワールドカップ応援(観戦)は、家に帰るまでが応援(観戦)です」、とでも言えばいいだろうか。
さすがアイルランド人である……。
Happy Day?
6月5日。
彼らは幕張へ移動し、うまくいってたら鹿島でドイツ戦観戦しているはず。
1枚だけチケットをもって来日したのだけど――結局どうなったかはわからず。
幕張のホテルにチェックインする5日は、成田空港までイヴォンヌさんのイトコが来日するそうで、お出迎えするんだとか。そのときにチケットがもう一枚手に入るかも、という話。なんでもそのイヴォンヌさんのイトコとやらは、FIFA関係者かなんかだとか(オソルベシ!イヴォンヌさんの縁戚関係)。
ま、たとえチケットがなくても、幕張のニューオータニの駐車場には、特設会場が出来ているわけだから、十分楽しめるだろう。おまけに選手たちも泊まるし――運がよければ会えるかも、と。
試合は劇的にロビー・キーンが同点ゴールをロスタイム決めて、引き分け。
勝たずとも負けぬことに価値アリ――これは彼らが自国の歴史を語るとき、「アイルランドは一度も征服されたことはない、侵略されているだけ」というのと似ていると思う。
すばらしいアイルランド哲学。
おまけに、ふだんはサッカーに興味のないかるごも、家でじーーっと見てしまった。
かるごが見たのは、ミックさんがかなしみと共に日本を去るなんてことがないように、という願いからだったのだが、ついつい見てしまい、挙句の果てには楽しんでしまった。
(そして、それに味をしめて、その後のアイルランドチームの試合だけは欠かさず見ることになろうとは!)
で、おそらく喜びのうちに、翌朝早く成田へ向かい、祖国へ帰ったふたりだった。
「帰りつきました」めーるが届いた。
お礼と、息子たちとの再会について書かれた最後に、ドイツ戦の話にふれてあった。
Did you enjoy the Ireland V Germany game? It was so exciting.
We got to meet all the Irish team and have many good photos.
We also got all the players signatures on the football.
おお!!
チケットのことはわからないが、ともかく、それだけでもよかった!とまず喜ぶ。
喜んだところで、とくに書いていないから大丈夫だったと思いたいが、ホテルで予約トラブル(かるごがミックさんの名前で、カード決済で予約したから)はなかったか、とちょっと心配だったので――そのことを確認させてもらった。
そしたら、またまた即返事。
It was just perfect in every way. We mingled with all the official staff of the Irish soccer association including Mick McCarthy (Manager) and also met with most of the football team after they returned from the game.
We have many photos of Yvonne and I with members of the Irish team.
We joined many of the team with supporters in a sing along in the Hotel bar until 4 am on Thursday morning, so we did not get much sleep (only 2 hours). Many of our friends cannot believe that we were able to stay in the same hotel as the team.
目に浮かぶようだ。。。お祭り騒ぎが。
しかし、はじめのメールで、サインをもらった話があったが――彼ら、実は奥多摩の駅前の売店で、サインペンを買ったのだよ。
電車がくるまでの間に、喫茶店などしゃれたものはなかったので、売店でアイスを買ってぺろぺろ食べることにしたのだが、そのとき、店の中で 「ペンが必要なんだ。洗っても落ちないペンが――どれ?」 と聞かれたの。
そろそろパッキングするから、持ち物に名前?なんて思いながら、あんまり深くは想像せず、ネームペンを一本取り出して見せた。
「これは大丈夫だと思うよ。2タイプのペン先があるからね」
2人はマジメな顔で納得して、そして、アイスとともにご購入……。
もしや、このペンでサインをもらいまくったのではなかろうか???などと今さらながらに思うかるごであった。さて、そういうわけだったので――日本滞在1週間の有終の美を飾るにふさわしい出来事だったのでは?と勝手に決めつけたかるご一家は、日本まで来た甲斐、あったよね?と安堵しきり。だって、こちらまでついついうれしくなってしまったからね。
なにかひとつでも、お役に立ちたいと思って、一家でがんばってみたけど――ほんとに一緒に過ごせて楽しかったし、すてきなオマケがあった後日談まで聞けてよかった!!
――が、まだ終わりではなかったのよねえ。
And more???
彼らが帰って10日ほどして、Nardyさんからめーるがきた。決勝トーナメントでスペインに敗れた(が、すばらしい試合だった)翌日ではなかったかと思う。
このイボンヌさん、Sligoのイヴォンヌさん?
http://www.tokyo-np.co.jp/00/cba/20020606/lcl_____cba_____002.shtml (リンク期限切れ)
なるほど、このページには、イヴォンヌ・マッケン(40)なる人物のインタビューが 一行紹介されていた。
競技場ではなく、幕張のアイリッシュビレッジ(サポーターと市民のための広場)で観戦したアイルランド人として、インタビューを受けていたもので――「これだけの応援があるから頑張って」と手を合わせていた――らしい。
うーむ、これ、イヴォンヌさんかな? でも、名字がちょいと違うんだよね。
似ているけれども――。
だけども、実にそれらしいな。そして、こんなうそっぽい確率が、大当たりしそうなのが“アイルランド”である。
たとえば、ここまで似通った名前であるならば、タイプミスかもしれないし、インタビュアーのほうの聞き取りミスかもしれない。なにしろ相手は天下のイヴォンヌさんだから。
ともかく、本人に確かめてみようと思って、ミックさんのところへメール。
と、またまた驚くべき速さでお返事が届く。
Yvonne did watch the Germany game in the Irish Village and did give an interview to a reporter that evening. It is great that you heard it.
Yvonne is becoming a star as she also gave an interview on local radio
after she returned home and also had an interview in one of the national papers and some pictures in the local papers. The signed football and
jersey of the Irish team is on display in The Strand Bar and everyone is amazed that we met with the Irish team.
わはははは!本人だぁ!!!
さすが、イヴォンヌさん!! 彼女ならでは、だ!
笑ってしまったね!!!
いやぁ、これまた目に浮かぶようだ。いやぁ、becoming a starとはね!!
恐れ入った〜。
でも、なんてすばらしいことだろうか!
なによりNardyさんが、よく見つけたと思う。よくイヴォンヌさんのことを覚えていて
くれたと思う。かるごがいくらイヴォンヌ、イヴォンヌと言っても、覚えていることってなかなかできない(かるごだけ?)――同じ記事を見つけたにしても、その名前は素通りする可能性だって、あったのに。
Nardyさん、ほんとうに、ありがとう!!!
そして、ミックさん、イヴォンヌさん、ほんとによかった!!!
来てくれてありがとう。そして、どこまでもすばらしいエピソードをありがとう!!
今夏、“それら”をこの目でたしかめに行こうと思う。
楽しみ!!
余談な語り。。。@"
家族のような、あるいはずいぶんと遠くで血がつながった親戚のような、そんな気持ちに、すううっと自然にさせてくれるふたりのあたたかさに、じーーんときてしまう。
アイルランドで会うごとにも感動しているのだけれども、この日もまた。
かるごは英語で考えることもしゃべることも、ホントに下手だけど、それでもそういう「言語」を超えてつながっていられるうれしさを、彼らと会うたびに感じる。ありがたい出会いだとつくづく思う。
この出会いのルーツをたぐっていくと、ほんとうに面白いつながりがあるので。
と――ここでちょいとまじまじっと言ってみよう。
別に彼らに限らず、人との出会いはたからものだと実感する瞬間には、涙が出るほど心がしぼられる――いや、心がしぼられるから、涙が出そうになるのかもしれない。
いいひとたちに出会っている、と思う。
どこででも。
「いいひとたちとの出会い」というのは、日ごろの行いとか、そういった因果応報ではなくて、だれにでも与えられている、常にだれにでもふりそそがれているチャンスなんだと思う。
まるでおひさまの光みたいにね。
それをどういうふうに受け止めるか――つまり日焼け止めを塗ることもできるし、傘をさして出かけたり、あるいは家の中にいるとか、そういうこともできる。当然、オモテに出てめいっぱい日光浴ということもできる。
その違いかな。
自分の受け止め方次第で、行動は変わってくるわけだから。
「思ったとおりになる、行動する」のが人間だから。
ともかく、自分がすてきな人たちと出会いたい、と考えていたらば、やっぱりそのとおりになるんだろうな、と最近はとくに強く感じる。
かるごは、すてきなことをいっぱい経験したいな。
だから、そのように足を運ぶだろうと思う。